いよいよ春到来。
今年は、桜と水をテーマにした大田区の「桜のプロムナード」でお花見さんぽはいかがでしょうか。
このプロムナードは桜と水、そして地域の歴史をたどる散策路です。
この記事では大田区を縦断する「桜のプロムナード」のうち、都営地下鉄浅草線「西馬込」駅近辺から、東急池上線「洗足池」駅までのルートと、ぜひ立ち寄りたい魅力的なスポットやイベントをご紹介します。
大人の足なら半日ほどで巡ることができるので、春のおさんぽにぴったりです。
4月第1日曜は2大イベント(馬込文士村大桜まつり・ねがた桜まつり)もお見逃しなく!
※最下部にルート別のGoogleマップのリンクを記載しています。ぜひご活用ください。
大田区を縦断する「桜のプロムナード」は、かつての暮らしを支えた川の流れの跡に沿って植えられた桜を楽しむことができる散策路です。
かつて大田区を流れた水路跡の多くは暗渠(あんきょ)になっていますが、時を超えた今も、桜の木々は春の訪れを伝え、まちを鮮やかに彩り続けています。桜の季節だけでなく、1年を通じて四季折々のみどりを楽しむことができるのでおさんぽにぴったりなんです。
今回ご紹介する西馬込〜洗足池エリアでは、地域の人々によって企画・運営されるお祭りやイベントが春の風物詩として親しまれています。
さあ、都営浅草線「西馬込」駅からおさんぽを始めましょう。まずは腹ごしらえを。
西馬込駅のランチスポットで、是が非でも押さえていただきたいのはTHE・ワインの名店「イルドコリンヌ」!
世界中のワインラバーが参考にするスターワインリスト「20 great wine bar and restaurant in Tokyo 2021」に選出され、「カリフォルニアワインの品揃えもセレクトも素晴らしく、リーズナブルかつカジュアルに飲める店」と評されたこのお店は、西馬込駅から徒歩5〜6分ほどの住宅街のなかにあります。
ランチタイム・カフェタイムともに「日替わりワイン」を楽しめます。馬込西公園の前にあるので、気候の良い季節はテラス席も気持ちよくておすすめ。
オーナーの山本香奈さんは「カリフォルニアワインのレジェンド」とも評されるワインのエキスパート。国際的な認定試験やワイン関連のコンクール・プログラムで審査員を務めるなど、国内外で幅広く活躍されています。
わざわざ仙台から上京してこの店のシェフになったという加納卓也シェフの専門はイタリアン。ランチセットはイタリアンを中心に、ワインにぴったりの食事をいただくことができます。
前菜5種・サラダ・スープ・若鶏もも肉のソテー(ジンジャーソース)・ドリンク付きのランチセット2200円をいただきました。お肉はジューシー、もう一品一品が美味しすぎてびっくり。「家庭の味」とはかけ離れた、まさに非日常のお味!
筆者にとってはリッチな価格帯ですが、一切の悔いなし! ここまで丁寧に作られた絶品のお料理をこのお値段でいただけるのはかなりのお値打ちでしょう。ハンドドリップで淹れた食後のコーヒーの香りも素晴らしかったです。
ワインショップを併設し、カリフォルニアワインを中心に220種のラインナップがずらり。
「通常、レストランでワインをいただくとショップ価格の2〜3倍になるものですが、当店はショップ価格でご購入いただいたものを、開栓料1650円でお楽しみいただけます。これはワイン通にとっては驚くほどお得なので、わざわざ青森や福岡から通ってくださる常連様もいらっしゃるんですよ」
イルドコリンヌは山本さんが住む大好きな西馬込の地で2017年にオープンし、地域やワイン好きのコミュニティを目指して様々なイベントを開催しています。
「17年ほど前に主人の転勤で岡山から上京することになったとき、桜並木に惹かれてこの地を選びました。知り合いが一人もいない土地だったのに、たくさんの友人知人に支えられて子どもを育て、気づけば、西馬込は私や家族にとってかけがえのない居場所になりました。このお店は地域への恩返しのつもりで作ったんです」。
「ワインを通じて、あたたかいコミュニティを西馬込に作りたいと常に考えています。定期的にワインの講習会を行っているので、こちらもお待ちしております」(山本さん)
| Wine Shop & Café île de Colline(イルドコリンヌ)https://www.ile-de-colline.com/ https://www.instagram.com/winecafe_ile_de_colline/ 【住所】大田区西馬込2-14-23 佐田コーポ1F 【電話】03-6429-7062 【アクセス】都営浅草線 西馬込駅から徒歩5分ほど 【営業日】水11:30〜16:00 木11:30〜16:00/ 18:00〜21:30 金11:30〜16:00/ 18:00〜21:45 土11:30〜17:00/ 18:00〜21:45 日 11:30〜17:00 【ラストオーダー】ランチ14:30 カフェ15:00 ディナー(飲み物除く)20:30 |
さて、イルドコリンヌでランチを満喫したら西馬込駅方面に戻り、第二京浜国道を渡って「馬込桜並木通り」に向かいましょう。(イルドコリンヌからは徒歩15分、西馬込駅からは10分ほどです)
沿道の約600メートルにわたって咲き誇る90本もの桜は、1953(昭和28)年ごろ地元の有志により川沿いに植樹されたもの。そのあと川は暗渠となり、現在の馬込桜並木通りの遊歩道に生まれかわりました。
「馬込文士村大桜まつり」は1991(平成3)年より、ちょうど桜が見ごろを迎える4月第1日曜に合わせて、地元の有志によって「馬込文士村」のアピールと地域の活性化をめざして始まったイベントです。
毎年屋台が所狭しと軒を連ね、地元の流し踊りや阿波踊りで、沿道はあふれんばかりの人で賑わいます。
お祭り名にも冠される「馬込文士村」は、大正から昭和初期、多くの作家や芸術家が住み交流していた地域の歴史に由来します。
周辺には多くの記念館や名所があり、当時の趣を感じることができます。下記施設は「馬込文士村大桜まつり」当日に無料開放されるので要チェックです!
・「龍子記念館」
日本画家・川端龍子の作品を展示する美術館
・「龍子公園」
龍子記念館の向かい側にある龍子の旧宅敷地内に、
彼が実際にアトリエとして使用していた建物や庭園が保存されています
・熊谷恒子記念館
現代女流かな書道家・熊谷恒子の旧居を改修し、作品が展示されています
| 第36回馬込文士村大桜まつり
【日時】2026(令和8)年4月5日(日) 12:00~16:30(雨天決行、荒天時踊りは中止) |
「馬込桜並木通り」の交差点を北東に向かった先には、2026(令和8)年2月1日にオープンした「大田区立馬込アートギャラリー」があります。地元にゆかりのある作家の作品や大田区が所蔵する絵画など地域の芸術資産を無料で鑑賞することができます。
| 大田区立馬込アートギャラリー https://www.ota-bunka.or.jp/facilities/mag/guide 【住所】大田区南馬込 4-10-4 【TEL】03-6410-7960【開館時間】9:00~16:30(入館は16:00まで) 【休館日】月曜(祝日の場合は翌日) ※5月4日(月・祝)は開館、5月7日(木)は休館 年末年始(12月29日~1月3日) 臨時休館(展示替え等) 【料金】無料 |
お次は「ねがた桜みち」へ。(馬込桜並木通りから徒歩で18分ほどです)
「ねがた桜みち」は東京都大田区・上池上自治会仲池地区に整備された、比較的新しい桜並木の遊歩道です。第二京浜国道沿いの入り口から東海道新幹線ガードまでの約900mほどにわたって続きます。
名称はかつての地名「根方」に由来。2012年に地元を愛する有志や小中学校の父母で「ねがた桜みちの会」が結成され、翌年4月から様々なイベントなどを実施。桜を軸に、老若男女を問わず、人と人とをつなぎ地元のひとが愛着を感じられるようなコミュニティづくりが育まれています。
毎年開花状況に合わせて3月下旬の夜から桜のライトアップが行われます。地元有志によるお手製ライトにほんのりと照らされた夜道も素敵!
毎年4月第1日曜日には「ねがた桜まつり」を開催しています。会場は公園内に土俵がある通称「すもう公園(区立仲池上二丁目第二児童公園)」。
当日公園内には地元の商店自慢のメニューが勢ぞろいし、地元の子どもたちで賑わいます。
同日午前中には「ねがた桜みちランニング」が開催され、「すもう公園」をスタート地点に「ねがた桜みち」を地元の小学生たちが元気いっぱいに駆け抜けます。沿道で子どもたちの勇姿を見守る家族連れや近所の人びとの姿は微笑ましい光景です。
| ねがた桜まつり https://negatasakura.jugem.jp/ 【日時】 2026(令和8)年4月5日(日) 11:30~15:00(雨天決行) 【会場】 すもう公園(区立仲池上二丁目第二児童公園) 大田区仲池上2-6-16 第9回ねがた桜みちランニング 【日時】 2026(令和8)年4月5日(日) 10:00~12:00(雨天決行) 【ゴール地点】 すもう公園(区立仲池上二丁目第二児童公園) 大田区仲池上2-6-16 |
「ねがた桜みち」の端、新幹線のガード下から「洗足流れ」に進みましょう。(ルート⑤の八百屋丸文まで徒歩16分ほどです)
「洗足流れ」は、かつては農業用水として周辺の田畑を潤すために利用された洗足池を水源とし、仲池上で呑川に注ぐ全長約1.5kmの水路です。
現在はソメイヨシノ約50本が迎える遊歩道として整備され、住民の憩いの場として親しまれています。
住宅街の中にありながら、ときにせせらぎに集まる野鳥や昆虫が訪れ、1年を通じて自然に触れ合うことができます。
てくてくと「洗足流れ」に沿って素敵な住宅街を歩けば、お散歩のゴール「洗足池」駅ももう間近。
少し小腹が空いたら、創業90年の「八百屋 丸文」でおやつを調達はいかが?
「え、八百屋さんでおやつ??」
と疑問に思われた方もそうでない方も、さあレッツゴー!
「八百屋 丸文」は店頭だけをみると色鮮やかなお野菜が並ぶ一般的な八百屋さんですが、店内は一味違います。
三代目女将の森井啓子さんのセレクトで、大田区を中心にあちこちのご当地のおやつやフード、飲み物などがずらりと並んでいるのです。オーガニック系のおやつやドリンクも豊富。
「商品のラインナップは、わたしの“推し”です」とお茶目に笑う森井さん。
宝探し気分で店内に進みましょう。
あ、はねぴょん発見!
大田区生まれの「コダマ飲料」のラムネに、北海道のソウルドリンク「コアップガラナ」。
コダマ飲料は1958年に蒲田で創業した老舗飲料メーカーです。
「コアップガラナはいわば和製コーラです。東京で買える場所は多くないので、見つけて驚かれるお客さまも多いんですよ」と森井さん。
かつては八百屋仲間でもあったという漢方家・青木満さんが手がける田園調布の「薬膳八百屋」の薬膳のお茶。
人気すぎて品切れ中の「ゆき蜜」は、洗足池の桜の蜜で作ったはちみつ。
(蜜ばちは巣の周辺半径2-3kmの範囲の植物から花蜜を集めるのだそうです)
大田区の池上本門寺そばにお店がある「ごまのお店 いい友」の「金ごまいわし」を初めて購入。
美味しくて健康的で、子どもの朝ごはんにピッタリ、リピートが確定!
子連れに嬉しい駄菓子コーナー。
まだまだ少し肌寒い日もあるので、お花見のおやつに焼き芋はいかが?
「うちの焼き芋はしっとりとした紅はるかです。ゴールデンウィークくらいまで販売してます。洗足池公園か、小池公園で食べるのもおすすめですよ」(森井さん)
宝探し気分で、「何があるのかな」とウキウキお店を回るのはとっても楽しい時間でした。
なぜこんなにご当地のものを取り扱うのかを森井さんに尋ねたところ、
「手土産を買ったりもらったりするなら、ちょっと珍しいご当地のものが嬉しいなって思うからです」
「遊び心が溢れる雑貨屋さん『ヴィレッジヴァンガード』みたいな八百屋を目指してます!!」
| 八百屋 丸文 https://www.facebook.com/yaoyamarubun/?locale=ja_JP https://www.instagram.com/yaoyamarubun/reels/ 【住所】東京都大田区上池台2-38-7 【営業時間】10:00-19:30 【定休日】日曜・祝日 【TEL】03-3726-5198 |
八百屋 丸文でおやつを買ったら、洗足流れに戻り、8分ほどでゴールの東急池上線「洗足池」駅に到着です。
駅前の洗足池公園で、丸文で購入したおやつを食べるのもおすすめです。おつかれさまでした。
大田区在住の筆者は、今回初めて桜のプロムナードを歩きました。
これまで案内板は何度も目にしたことがあったのに、見過ごしてきてしまったけれど。
地域の歴史や、かつての姿を想像しながら、今を豊かに生きる人びとに触れることができ、とにかく楽しいおさんぽでした。
あなたもぜひ、今年の春は歩いてみませんか。
この春、大田区では「おおたの桜を楽しもう」と題して、区内全域で桜をテーマにした企画を実施しています。
フォトコンテスト・まち歩きツアー・スタンプラリー・大田区の桜マップの発行など楽しみ方はいろいろあり、
写真をアップロードするだけでもれなく賞品がもらえるキャンペーンもあります。
ぜひ、あなたらしい桜の楽しみ方を見つけてみませんか。
ルート別 googleマップルート①
ルート②-2 ▶︎西馬込駅 ルート③ ▶︎馬込桜並木通り ルート④⑤ ▶︎ねがた桜みち(端の新幹線ガード下) ▶︎「洗足流れ」 ▶︎八百屋丸文 ルート⑥ ▶︎八百屋丸文 |
本記事のライター:Hana
プロフィール:大田区歴13年、小学生の姉妹を子育て中。大田区の魅力は知るほどに深く、気づけばすっかりトリコ。
監修:NPO法人大森まちづくりカフェ
「大森まちづくりカフェ」は情報紙の発行や地域密着型のイベント企画など、まちの魅力を発見し伝える事業を通じて、大森がもっといきいきするような交流の場(=カフェ)の構築を目指すNPO法人です。