羽田空港のほど近くに広がる「HANEDA INNOVATION CITY(以下、羽田イノベーションシティ)」は、親子で楽しめるおすすめのお出かけスポット。
至近距離で飛行機が離着陸する迫力を感じられる一方、最新テクノロジーに触れたり、足湯に浸かってのんびりくつろげたりと、ワクワクと癒しの瞬間がどちらも楽しめるのが魅力です。
見晴らしも良いことから、大田区屈指の初日の出スポットとしても知られています。
子どもが夢中になって、大人もリフレッシュできる「羽田イノベーションシティ」。
今回は、小学生の兄妹と一緒に遊びに行った様子をお届けします。
(取材内容は2025年12月当時のものです)

羽田は昔から、異なる文化や発想が交わり、新しい価値を生み出してきた“イノベーションのまち”。漁師町としてのどかな風景が広がっていた時代も、広い干潟を活かして「東京飛行場」がつくられ、海苔の養殖場の上を最新テクノロジーであった飛行機が飛ぶという、先進的な一面を持っていました。戦後は下町文化を育みながら、日本の空の玄関口・羽田空港として世界中の人や文化を迎え入れてきました。
この革新的な歴史を受け継ぎ、新たに誕生したのが天空橋駅に直結する「HANEDA INNOVATION CITY」。大田区の町工場が培った技術と最新テクノロジー、伝統文化と現代アートが交わる場所として、次の時代のイノベーションを生み出すことを目指しています。
「先端」と「文化」の2つをまちのコア産業として、商業・オフィスをはじめ、多くの特徴的な機能を内包した羽田イノベーションシティ。
オフィスや研究開発施設をはじめ、グルメ、体験、イベントなど多彩な機能が集結。多様な要素が交わることで、この街だからこそできる新しい体験や過ごし方があります。
羽田イノベーションシティのURLはこちら
https://haneda-innovation-city.com/
アクセス:京浜急行空港線・東京モノレール「天空橋」駅直結
今回の取材のためにリサーチしていたところ、
羽田イノベーションシティから見える日の出や朝焼けがとっても美しい
という情報を入手したので撮影しに行ってきました。
12月11日午前6時26分 足湯スカイデッキから撮影
日の出を撮影しに向かった日は、あいにくの曇り空。
この日は、日の出を直接見ることはできませんでしたが、
朝日が昇り徐々に空がオレンジに照らされていく様子はなんとも幻想的。
12月11日 午前6時30分
足湯スカイデッキは朝5時30分からオープンしていますので、足湯に浸かりながら日の出を眺めるという、特別な時間を過ごすことが出来ました。
羽田イノベーションシティに着くと、その近未来的な建物などいつもとは違った雰囲気で子どもたちのテンションは一気に上がっていきます。
このような中、いの一番に向かったのは「アーティストビレッジ」!
緑の芝が広がる開放的な空間にアーティスティックな遊具。
見た目からワクワクする初めて目にする遊具に、子どもたちは嬉しそうに遊具に駆け寄って遊び始めました。
いつもの公園の遊具とは違ったオシャレさからでしょうか。
楽しそうに遊んでいる様子が伝わってきます。
シンプルな遊具故に、遊びの可能性が広がっていくのかもしれませんね。
遊具のてっぺんの部分は、中に入れるようになっています。
(お子さまには楽しみのためにぜひ秘密にしてくださいね)
「そろそろ次のスポット行こうか」と声をかけなければ、1時間は遊んでいた可能性も!
「アーティストビレッジ」は、空が広く風が感じられてひたすらに居心地が良い場所。
芝生に座って子どもたちが遊ぶ様子を眺めているだけで、体がオフモードになっていく心地良さを感じました。
住所:大田区羽田空港1-1-4 羽田イノベーションシティ1F ZONE L
https://haneda-innovation-city.com/facility/#culture_art
アーティストビレッジで体を動かして心を落ち着かせたのち、次に向かったのは産業交流拠点・「PiO PARK」のショーケーシングエリア。
大田区内外のユニークな製品や技術を展示していて、
誰でも無料で楽しむことができます。
初めての製品や技術を目の当たりにして、子どもたちの眼差しの真剣なこと。
こちらでは手で触れてもOKな展示もあって、喜んで触っていました。
娘が興味を持ったのは、水膜厚1mmの高精度噴水「ウォーターベール」。
こちらは、全周から加速した水流が均等な量で吐出されることによって、美しいベール上の噴水になります。
「不思議!おもしろい」と言って釘付けになって遊んでいました。
息子は展示してあった「らーめん缶」がとても気になったようで、「どんな味なんだろう、食べてみたいな」と興味津々。
この「らーめん缶(500円)」は、大田区上池台にある丸山製麺が手がけた業界初の小麦麺を使ったもの。缶を開けると、具材と麺がスープに浸かった状態ですぐに食べられるという優れものなんです。
常温で製造日より3年の保存が可能なので備蓄用にもいいなと思いました。
お隣の羽田空港の自動販売機で販売しているとのことなので、一足伸ばして買いに行ってみるのもいいかもしれません!
「PiO PARK」のショーケーシングエリアでは、不定期に企画展示も実施していて、 時期によって展示されているものも変わるそうです。
HPを事前にチェックして訪れてみてください!
住所:大田区羽田空港1-1-4 HICity ZONE K 201号室
TEL:070-3297-5094
営業時間:9:00〜19:00(日曜・祝日定休)
https://piopark.net/
次いで訪れたのは、戦闘機シミュレーターとミリタリーショップを併設した「LUXURY FLIGHT」。
旅客機の操縦体験ができる羽田空港本店やセントレア店とは違って、羽田イノベーションシティ店では、日本で唯一本格的な戦闘機のフライトシュミレーション体験ができるんです。
息子と一緒に訪ねてみると、入り口から異彩を放った雰囲気。
店に入るときに親子でちょっとドキドキしましたが、店長の佐々木さんが優しく出迎えてくれました。
気さくな雰囲気の佐々木店長、実は元戦闘機のパイロットなのだとか!!
佐々木店長と会うために、遠方からも訪れるお客様もいらっしゃるそうです。
佐々木店長と談笑していると、ちょうど体験を終えられた男性がいたので話を聞いてみました。
「お住まいは近くなんですか?」と訊ねると、埼玉から月に1回通っていてかれこれ3年目とのこと!操作方法をマスターしているので、毎回サポートなしでフライト体験をしているそうです。
息子に「楽しんでね」と声をかけて去っていく男性の笑顔がとても眩しくて、
これが「推し」のある生活なんだなと思いました!
好きなことに没頭する時間があるって素敵ですね!
そんなこんなで、息子もいよいよフライトに初挑戦。
今回は「お試しコース20分(4400円)」で、
通常の体験より5分長く楽しめます(対象年齢10歳〜15歳)。
息子は「ちょっとドキドキするな」と言いながら操縦席へ。
「めちゃくちゃ本格的で興奮する!」と声を上げたのち、すぐに別世界への扉を開けて夢中になっていました。
佐々木店長に操縦方法を教わりながら20分間のフライト体験が終了。
そして、体験し終えた息子もまた、先ほどの男性同様にキラキラとした瞳をして良い顔になっていました!!
「本当に操縦している気分になって無我夢中だったけど、わかりやすいアドバイスのおかげで安心して楽しめた」と話していました。
「もともと戦闘機のパイロットをしていたので、指導的になり過ぎないように気をつけています。一人ひとりのお客様に満足してもらうこと、着陸まで成功させることを心がけています」と佐々木店長。
土日は混雑することが多いそうで、事前に電話予約をするのがおすすめです。
「LUXURY FLIGHT」は、子どもから大人まで童心に返って夢中になれる場所でした!
住所:大田区羽田空港1-1-4 羽田イノベーションシティ 2F J2-5
TEL:03-5579-7980(10:00〜17:00)
営業時間:10:00〜17:00(不定休)
https://737flight.com/hicity-store/
“カフェ×ヨガで美味しく体メンテナンス”がコンセプトの
「羽田 SPORTS STATION&Cafe」。
平日の午前中は、マタニティヨガや産後ヨガ、親子で参加できるバランスボールレッスン、週末は初心者から参加できるカフェヨガなどを開催しています。
お店に入ってみると、素敵な空間が広がっていて驚きました!
足を伸ばしてくつろげる、その名もグリーンエリアです。
遊び疲れた子どもたちは、いろいろな席に座ってお気に入りの場所を見つけてくつろいでいます。そういえば、子どもたちが赤ちゃんだった頃にお座敷のある場所をよく探していたことを思い出しました。
「赤ちゃんを連れてヨガに参加して、そのままランチをしていくお母さんも多いです」とカフェ店長の鈴木さん。持参した離乳食を赤ちゃんに食べさせることももちろんOK!
さて、我が家のすっかり大きくなった子どもたちは、
迷いに迷いながらも今月のおすすめ「サルシッチャのレモンクリームパスタ(単品1515円)、ドリンク付きセット(1700円)」と、「クロワッサン卵風サンド(1個580円、2個セットはドリンク付きで1370円)」を選びました。
「卵を使わないけど卵サンドってどういうことだろうね?」などと話しをしながら食事を待つのもまた楽しい時間。
息子はパスタがくると、「レモンの風味がほのかに香る〜」と、ものすごい勢いで食べていました。
そして、卵を使わない「クロワッサン卵風サンド」は見た目は卵サンドそのもの。
一口いただいてみると、びっくり!
味も卵サンドなんです!一体これはどういうことなんでしょう⁇
鈴木店長にお聞きすると、この卵風フィリングは、にんじん、白いんげん豆、かぼちゃなどで卵の風味を再現したものとのこと。コレステロール0で食物繊維も豊富なのだとか。
さらに、このクロワッサン生地の糖質は通常の50%オフ!
ヘルシーで嬉しい限りです。
スイーツは、京都府産の一番茶を使ったオリジナルジェラート「お抹茶(500円)」と、「濃厚ガトーショコラ(690円)」を選びました。
抹茶好きな息子は「抹茶が濃厚! あたたかい室内で冷たいスイーツって贅沢だなぁ」と幸せを噛み締めていました。
鈴木店長によると、ジェラートでは、「豆乳きなこ」や「豆乳黒ごまきなこ」などの100%植物性のヴィーガンジェラートもお子さんに人気だそうです。
「濃厚ガトーショコラ」は、卵サンドと同じくプラントベースなのですが、とっても濃厚でリッチな味わいでびっくり!
小麦粉不使用で玄米粉を使ったグルテンフリーで、白砂糖は不使用。さらにアーモンドミルクを使用していることで、低糖質で低カロリー!
おいしくてヘルシーだなんて、ほんとありがたいですね。
子どもたちが食事とスイーツでお腹と心を満たしている姿を見ながら、
高級希少品種「ゲイシャ種」100%のゲイシャコーヒー(Rサイズ605円)を。
コーヒーが大好きな私ですが、またリピートしたい感動の一杯!
酸味とフルーティーな香り、ほのかな甘みが口の中に広がっていきます。
そして、ヨガ講師のTAKKOさんとお話していると、「マタニティヨガで出会った方が出産して赤ちゃんを連れて来てくれるときがとても嬉しい」との言葉に、じんわりとあたたかい気持ちになりました。
少人数制で赤ちゃんが泣いても気にならなかったり、先生が抱っこしてくれたりするので安心して通えると評判だそうです。
もしピンときた方はぜひ、予約をして体験してみてくださいね。
「私もマタニティヨガと産後ヨガに通っていたんですよ」とTAKKOさんにお話すると、産後8年の私ももちろんウェルカムですよと、満面の笑みでお話してくれてとても嬉しかったです。
例年4月から10月の期間は、店舗前の屋外スペースで羽田ヨガを開催しているそうなのでこちらも要チェック!
住所:大田区羽田空港1-1-4 羽田イノベーションシティ 2F D2-2
TEL:03-5579-7551
営業時間:12:00〜19:00(L.O18:30)(不定休)
*土曜、日曜、祝日は11:00〜オープンの場合も
https://www.hss-c.jp/ (羽田ヨガ https://urban-yoga.jp/)
屋上にある「足湯スカイデッキ」では、羽田空港を離発着する飛行機を眺めながら無料の足湯に浸かることができます。
近距離で飛行機が見られるとあって、エンドレスに入れそうな魅力的な足湯。
(長時間の足湯はのぼせにつながりますので、くれぐれもご注意くださいね)
子どもたちは大迫力の飛行機に興奮しながら足湯に浸かっていました。
私はというと、「羽田 SPORTS STATION&Cafe」でテイクアウトした「カフェラテ(Rサイズ725円)」を足湯に浸かりながらいただき、すっかり癒されました。
ここへは何度か訪れたことがありますが、飛行機が飛び立つ瞬間はとてもエキサイティングで飽きることがありません。いつ来ても帰るときには名残惜しくなる場所なのです。
(※足湯スカイデッキでのお食事はご遠慮ください)
今回は足湯に入る気満々だったので、自前のタオルや手拭いを持ってきましたが、足湯近くにある自動販売機では、羽田イノベーションシティ・オリジナルの足湯タオル(500円)を購入することもできます。
屋上行きのエレベーターもあるので、小さなお子さま連れやベビーカーでも安心ですよ。
住所:大田区東京都大田区羽田空港1-1-4 羽田イノベーションシティ ZONE E 屋上
営業時間:5:30~23:30(*貸切利用時は利用できません)
https://haneda-innovation-city.com/facility/#floor
大田区ならではのビールがいただけると聞いて「HANEDA SKY BREWING」へ!
「HANEDA SKY BREWING」では5年半前に醸造を開始してから地域連帯の取り組みが盛んになり、全国の自治体とのコラボビールは現在50種類以上にものぼるそうです。
「いつか大田区ならではのビールを作りたいとずっと考えて温めてきました。町工場で水耕栽培するレタスに出合ったときに、これだ!と閃いたんです。レタスは生産量も安定していて、通年販売できるところも魅力でした」と代表の大屋さん。
そこからレタスビール開発プロジェクトとして大田区や地元企業と連携を重ねて満足のいく味にたどり着き、「羽田レタスエール」が誕生しました。
「HANEDA SKY BREWING」では、本日のクラフトビールとして店内の醸造所で醸造したクラフトビール(ハーフ880円)を8種類ほど提供しています。
今回は、本日のクラフトビールに「羽田レタスエール」がありました!!
レタスを使ったビールってどんな味なのだろうと注文して飲んでみると・・・、
シンプルにエールビールとして美味しい!
そして、後味としてレタスの爽やかな香りが感じられました。
「羽田レタスエール」では1回の仕込みで3〜5キロのレタスを使用するそうで、販売には難しい規格外のレタスがメインなことから、フードロス対策にもなっているそうです。
レタスが原材料であることから、ビールで食物繊維も取れるのだとか。
ヘルシーなビールってなんだか新しい!
「羽田レタスエール」は、お店にあるときとないときがあるそうで、
飲みに行きたいという方は事前に電話でご確認くださいとのことでした。
「お店の雰囲気は、Zepp Haneda(TOKYO)に音楽を聞きにくるお客さんによってガラッと変わることもここならでは。お店では当日いらっしゃるアーティストの曲を流すようにしています」と大屋さん。
さらに、推しカラーがテーマの「#わたしの推し色クリームソーダ(680円)」は、ライブ前などアルコールを召し上がらないお客様のためを思って考案したもの。
アーティストのイメージカラーが紫のときに、紫色の「バタフライピー・ピーのクリームソーダ」ばかりが売れる日があってバタフライ・ピーのストックが無くなりそうということもあったのだとか。
息子にどの色のクリームソーダが飲みたい?と聞くと「メロンソーダがいい!」とのことで(まだ推し色はないとのこと)、
「羽田レタスエール」と「メロンクリームソーダ」で同じ緑色の泡で乾杯をしました。
蒲田から羽田へとの気持ちで、羽田イノベーションシティに「HANEDA SKY BREWING」を出店して約5年。
2026年には羽田空港ターミナルでの「羽田レタスエール」の販売も決まって、「やっと羽田空港まで来れた気がします」と大屋さんは笑顔で話してくれました。
住所:大田区羽田空港1-1-4 羽田イノベーションシティ Dゾーン 2F
TEL:03-5579-7350
営業時間:11:00〜23:00(不定休)
https://www.haneda.beer
「HANEDA SKY BREWING」で使っているレタスは、京急空港線「大鳥居駅」近くにある
都市型野菜工場「LEAF FACTORY TOKYO」で作られました。
セットで訪れるのもおすすめです。
こちらでも「羽田レタスエール」の販売をしています。
住所:大田区東糀谷3−9−4 FARM HANEDA
アクセス:京浜急行空港線「大鳥居」駅徒歩5分
営業時間:不定期※公式Instagram(leaf_factory_tokyo)を要確認
https://leaffactory-tokyo.co.jp
羽田イノベーションシティ日帰り旅の締めくくりは、なんといっても夕焼け。
「綺麗だね」と話しながら、変化していく空を眺めていました。
「足湯に入りながら飛行機が見られるのが良かった」、「違う味のジェラートも食べたい」「今度はずっと飛行機の写真撮影をしていたい」、などなど、子どもたちからはまた行きたいとのリクエストの嵐。
羽田イノベーションシティで、親子ともに楽しく癒しの時間を過ごすことができました!
また必ず行きます!
プロフィール:大田区在住のフリーライター&エディター。取材記事や体験記事、コラム記事などを執筆しています。食べること、テニス、銭湯(サウナ)、カメラが大好きで、大田区のあちこちに出没しています。
監修:NPO法人大森まちづくりカフェ

「大森まちづくりカフェ」は情報紙の発行や地域密着型のイベント企画など、まちの魅力を発見し伝える事業を通じて、大森がもっといきいきするような交流の場(=カフェ)の構築を目指すNPO法人です。