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  • 2026.3.31
  • グルメスポット銭湯&スパ

東急多摩川線でゆるっと一人旅。桜と銭湯と、ちょっといい夜【鵜の木・沼部】

東京・大田区を走る東急多摩川線

全長5.6kmのこの路線は、蒲田、矢口渡、武蔵新田、下丸子、鵜の木、沼部、多摩川と魅力あふれる7つの駅を結んでいます。

今回は、東急多摩川線の鵜の木駅沼部駅にスポットを当てて、桜の名所をめぐりながら銭湯やはしご酒を楽しむショートトリップをしてきました。

桜坂や旧六郷用水散策路で桜の名所めぐりのあとは、とっておきの銭湯で一汗流し、個性あふれる居酒屋さんめぐりへ!

想像以上に楽しい時間を過ごせること間違いなし!ですが、くれぐれも飲み過ぎには気をつけてお出かけください。

(取材撮影の商品や価格は、2026年3月現在のものです)

1.「桜坂」と「旧六郷用水散策路」をお花見散歩
2.アートな銭湯「第二栗の湯」で癒しの時間
3.「BEER STAND Stoop」​​で乾杯!
4.「かたふり」で大田市場直送の鮮魚に感動
5.「ぬ。」でお客様との会話に花を咲かせる

1.桜坂と旧六郷用水散策路をお花見散歩

今回は鵜の木・沼部エリアの桜の名所をたどるために、まず東急多摩川線沼部駅で降りました。

最初に向かったのは、桜の時期限定の郵便ポストをひと目見たくて田園調布本町郵便局へ。

桜の花で満開の郵便ポストに、思わず笑みがこぼれます。

そして、東光院前を通って北東へ向って歩き、田園調布本町19番あたりから石垣に挟まれた切通しの坂道である桜坂に到着。

坂道の両側に桜が咲くことから桜坂と呼ばれ、現在では大田区内外からも人が押し寄せる

桜の人気スポットです。

歌手で俳優の福山雅治さんの名曲「桜坂」が、大田区沼部の桜坂が舞台であったことでも知られています。

桜の時期には、約30本のソメイヨシノが花を咲かせていて、まるでピンクのトンネルのよう。

しばし足を止めて、落ち着いた坂道の雰囲気を楽しみました。

桜坂周辺を散策した後、沼部駅方面へと戻り、

今度は旧六郷用水散策路をたどりながら鵜の木方面へと桜散歩です。

旧六郷用水散策路は、江戸時代に農業用水路として作られた六郷用水の主要ルートを辿る散策路。

江戸時代、この辺りはどんな雰囲気だったのだろうなど考えながら、

散策路脇に咲く桜や、水辺のカモやコイなどを眺めながらのんびりと歩いていきます。

桜を愛でながら歩いているとあっという間に

次の目的地である「第二栗の湯」へと到着しました。

2.アートな銭湯「第二栗の湯」で癒しの時間

桜で目を癒したあとは銭湯で足腰を癒しつつ、日が暮れてからの一杯をより崇高なものとするため、目指すのは昭和37年8月創業、第二栗の湯です。

第二栗の湯は2025年8月にリニューアルオープンし、店内はピカピカ。銭湯初体験の人でも非常に入りやすい雰囲気になっています。

第二栗の湯の特徴は、「見て楽しめる銭湯」であることです。脱衣所に入って振り返ると、白い壁紙に映える赤富士がそびえます。

天井には鶴が飛び、何とも縁起のいいお風呂タイムが待っているような気がします。

浴室内は白を基調にすっきりとした印象。

一般的な銭湯だと富士山が描かれる奥の壁面には、なにやらひし形が。

左端の白い湯舟は、日ごとに入浴剤が変わる薬湯です。この日は草津温泉の湯の花を湯舟に投入していました。まさか花見をした後に、湯の花に全身包まれることになるなんて!

湯舟に入ると目に入るのは、脱衣所と浴室を仕切るステンドグラスです。ステンドグラスと赤富士がうまいこと並ぶビュースポットを探してみるのもいいでしょう。

湯舟は41度程度で、足腰にジェットを浴びる座湯電気風呂とバイブラ併設のガリウム石温浴泉、先ほど触れた日替わりの薬湯の3つです。

座湯に入ってふと首を横に向けると、富士山のミニ背景画がありました。なんでしょう、この「富士山あってよかった」とどこかほっとしてしまう感覚は。
吸い込まれるように絵に近づいてみると…

第二栗の湯の女将さんがご自宅でともに暮らしているワンちゃんとネコちゃんです。

銭湯の背景画は絵師さんと店主が相談して描く内容を決めますが、第二栗の湯ほど愛犬・愛猫を前面に押し出した銭湯はないのではないでしょうか。

終始アートな銭湯だからなのでしょう、お客さんが描いた絵を持ち込んできて、「ロビーに飾って!」なんてこともよくあるようで、ロビーの壁面には所狭しと持ち込まれたアートが飾られています。

もはや美術館併設銭湯、お花見からの流れで訪問するには相性抜群です!

​​第二栗の湯

住所:大田区鵜の木2-46-1
営業時間:14:00~24:00(金曜定休日)
アクセス:東急多摩川線鵜の木駅から徒歩5分

3.「BEER STAND Stoop」​​で乾杯!

銭湯でリフレッシュしたのちに向かったのは、「BEER STAND Stoop」。

2019年6月、ビールを知らない人にも気軽に楽しんで欲しいというコンセプトでオープンしたクラフトビールスタンドです。

店名にある「Stoop(ストゥープ)」とは、店長の日高さんが猫背だったことからネーミングしたのだとか。

猫のモチーフは女性イラストレーターTOAさんによるもので、グラスやサーバーなどあらゆるところに描かれています。

お店では、タップで5種類と缶やボトルで数種類をラインアップ(品切れの場合もあります)。

ご縁のあるブルワリー約20社と取引をしていて、全国各地のクラフトビールが楽しめるのが魅力です。

メニュー表を眺めてどのビールにしようかと悩み、店長の日高さんに相談。

「とてもフルーティーで飲みやすいのでいかがですか?」とおすすめされた一杯をお願いすることに。心の中で気になっていたビールだったので内心びっくりしました。

いただいたのは栃木県下野市にある「うしとらブルワリー」

「#967 ラズベリー入れちゃいました」というフルーツエール(Sサイズ950円)。

ラズベリーの色味が綺麗でテンションが上がります。

見た目も可愛い一杯をいただいてみると、口の中にラズベリーの香りがふわぁと広がっていきます。色々なフルーツエールを過去に飲んできましたが、ここまで果実感が強く感じられたのははじめて。

ビールのあてにいただいたのは「まる徳精肉店のビーフジャーキー(500円)」

鵜の木にある「まる徳精肉店」にビールに合うつまみをと相談し、誕生したというビーフジャーキーはスパイシーで香りが良いのが特徴です。

日高さんによると、お客様の8割が常連さんだそうで、女性一人でふらっと訪れるお客様も多いのだそう。常連のお客様同士でイベントを行ったりするほど、お店をきっかけにつながりが生まれているとのことでした。

「お客様からいただいた写真を使って季節ごとにオリジナルのラベル缶を作っているので、もしいい写真があったらぜひ」と笑顔の日高さん。

「BEER STAND Stoop」は、クラフトビールだけではない、新しい出合いが待っていそうなぬくもり溢れるビールスタンドでした。

BEER STAND Stoop

住所:大田区鵜の木2−16−19 コートエフB 
営業時間:平日16:00〜22:00、火曜日18:00〜22:00、土日祝日15:00~22:00
アクセス:東急多摩川線鵜の木駅から徒歩1分
https://www.instagram.com/beerstandstoop/

4.「かたふり」で大田市場直送の鮮魚に感動

クラフトビールでほろ酔いで向かったのは、「BEER STAND Stoop」​​から歩いてすぐの「かたふり」。

「かたふり」とは、船乗り達がお酒を飲みながら航海や出身地などの自慢話やよもやま話に花を咲かせ、話に熱中するうちに自然と肩が触れ合うことを意味する言葉。

お客様に気軽にお酒を楽しんで欲しいとの思いから、

「かたふり」という店名にしたそうです。

お店に入ると、今日の日替わり料理が書いてある黒板があります。

何を頼もうかと黒板とにらめっこしながら考えるのもまた楽しい時間ですね。

ファーストドリンクは、私自身がお店で見つけると条件反射で頼んでしまう

「バイスサワー(420円)」を。

バイスサワーに使われているのは、大田区大森南にあるコダマ飲料が手がけるシソ風味の割り材。

シソエキスが入ったさっぱりとした味が好みで、ビールの次に注文することが多いドリンク。お店にバイスサワーがあると知ると、ほぼ即決してしまう私です(笑)。

そして、料理は「ポテトサラダ(380円)」「タコあしのうま煮(380円)」を注文。

ポテトサラダは、一晩寝かせたジャガイモを使うことで素材本来の旨みを引き出したもの。ベーコンのカリカリ食感がアクセントになっていてたまりません!

(プラス100円のトッピングで、塩辛の酒盗のせもできます)

「タコあしのうま煮」は、醤油・砂糖・みりん・酒で甘辛く煮付けたもので、

やわらか〜いタコあしを食べていると、ちょっぴり緊張していた心も解けて幸せな気持ちになってきます。

締めは、入店時からこれにしようと決めていた「お刺身3点盛り(800円)」を。

すると、サービスでもうひと種類が付いていてほぼ4点盛りになっていました。

こういう心遣いに、グッときます。うれしいですね!

大田市場直送のお刺身は、どれも新鮮!!

魚の旨みが濃厚でついつい箸が止まりません。

刺身用に甘口醤油が置いてあるのも嬉しいポイントです。

そして、お刺身に合わせるのは「本日の日本酒」からうさぎのラベルがかわいい

「HARU(150ml 700円)」をジャケ選び(笑)。

店長の真山さんは日本酒の相談にも乗ってくださるので、味の好みを伝えてお聞きしてみるのもおすすめです。

当たり前のことをしっかりとやる。それだけ。お酒も濃いめに作ったり、日本酒はなみなみと注ぐようにしています。自分がお酒が好きだから嬉しいかなと思うことをしっかりとやっていきたい」と真山さん。

お酒がなみなみで嬉しいなと感じていましたが、お客様の笑顔を思って当然とやっているという姿勢にしびれました!!

​​かたふり

住所:大田区鵜の木2-16-9
営業時間:16:00〜23:00(木曜・日曜定休日)
アクセス:東急多摩川線鵜の木駅から徒歩2分
https://www.instagram.com/katafuri_sakanaya/

5.「大衆スタンド ぬ。」でお客様との会話に花を咲かせる 

「かたふり」で、ほろ酔いからやや酔いへとなった私は、最終目的地の「大衆スタンド ぬ。」へ向かいます。

沼部駅のすぐそばという好立地にある「大衆スタンド ぬ。」。

お店に足を踏み入れた瞬間、店名どおり、沼る(ぬまる)予感がしました。

というのもお酒の種類が、ビール、焼酎、日本酒、サワー、カクテル、ワイン、希少種のお酒など、とにかく豊富で魅力的!

飲み過ぎに気をつけようと気を引き締めました(笑)。

最初の一杯をどうしようと悩んでいると、今日の店長の大竹さんが「レモンサワーがおすすめですよ」と笑顔で声をかけてくれました。

日本酒からのレモンサワーっていい!と激しく首を縦に振り、早速お願いします。

さらに、「レディースセットがお得ですよ」と教えていただき、そのセットで注文をすることにしました。

(ドリンク2杯とお料理3品で2300円)

こちらのレモンサワーは、無糖でレモン果汁がいっぱいでとってもさわやか!

仕切り直しの一杯にぴったりです。

レモンサワーに合わせる料理は、「冷奴 山形ダシのせ」に、「トロアボカド」を。

これがまたおいしくて、お酒が進みます。

店長の大竹さんになぜここでお店を開いたのですか?とお聞きすると、

ご主人がもともと沼部でイタリア料理のお店を営んでいて、以前から沼部に気軽に立ち寄れる居酒屋があったらいいねと話していたとのこと。

そして、色々なご縁があって2024年4月にお店をオープンしたそうです。

店名の「ぬ。(ぬまる)」は沼部で沼って欲しいとの願いから。

今では常連のお客様やふらっと訪れるお客様でにぎわっています。

女性一人のお客様も増えているのだとか。

私はここでどっしりと腰を据えて、常連さんたちとのおしゃべりを楽しみました。

地元のおいしいお店の話や、お酒の話、とにかく色々な話をしましたが、はじめて会う方とお話をするのってとても新鮮ですね。

どこか遠いところへ旅をしているような気分になりました。

話に花を咲かせていると、2杯目が到着。

こちらも大竹さんおすすめでお願いし、芋焼酎のソーダ割りに。

小売では入手が難しい芋焼酎「サニークリーム」は、一口いただいてみると目から鱗

完熟バナナやメロンの甘い香りがフルーティーで芋焼酎のイメージとまるで違います。

ソーダで割っているので口当たりも良くて喉越しも爽やか!

「いぶりがっこチーズ」をあてに、お酒がさらに進みます。

ラストのはずの芋焼酎ソーダ割でしたが、常連さんお気に入りのお酒、ヨーグルト酒が飲んでみたくなり、最後の一杯をオーダー。

結局、その場にいるみんなが「ヨーグルト酒660円」を注文して、仲良く乾杯です。

そして、「こんなお酒は飲んだことがない」「おいしい!」と店内がどよめきました。

今日この時間、ここに来てお話をしなかったら知ることのない味。

来てよかった、としみじみ感じながらラストのお酒をいただきました。

「大衆スタンド ぬ。」は居心地がとても良く、確実に沼るということを身をもって体験した夜でした。

大衆スタンド ぬ。

住所:大田区田園調布本町28-3
営業時間:平日17:00〜23:00、土日祝16:30〜23:00
アクセス:東急多摩川線沼部駅から徒歩1分
https://www.instagram.com/nu_maru_numabe/?hl=ja


花見散歩
に地元で愛されている銭湯、そして湯上がりのはしご酒

大田区鵜の木・沼部エリアで濃厚な1日を過ごせました。

大田区に住んでいながら、知らないことがまだまだたくさんあるとつくづく思ったのでした。これからも地域の魅力を積極的に掘り起こして楽しんでいきたいです。

 

本記事のライター:大曽根桃子

プロフィール:大田区在住のフリーライター&エディター。取材記事や体験記事、コラム記事などを執筆しています。食べること、テニス、銭湯(サウナ)、カメラが大好きで、大田区のあちこちに出没しています。

監修:NPO法人大森まちづくりカフェ

「大森まちづくりカフェ」は情報紙の発行や地域密着型のイベント企画など、まちの魅力を発見し伝える事業を通じて、大森がもっといきいきするような交流の場(=カフェ)の構築を目指すNPO法人です。