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  • 2025.11.14

江戸時代にタイムスリップ!?平和島・大森の寄り道旅 品川×大田 WAKU☆WAKUラリー参加レポ

あんなに暑かった季節はどこへやら、一気に寒さが増してきて…まちあるきにはベストシーズンの到来。
現在開催中(~2025年11月30日)の「品川×大田 旧東海道でつながるまち WAKU☆WAKUラリー」に参加しました!

大田区と品川区にまたがる旧東海道が、このラリーのおもな舞台。
道幅に始まり、建物や歴史あるお店など、今も随所に江戸時代の面影を残す旧東海道。期間中はスタンプを重ねて押したり、クイズに挑戦したりできるW(ダブル)ラリーを楽しめます。ラリーポイントを全部めぐると、プレゼントが当たるチャンスも。

ラリーポイントの近くには、立ち寄りたくなるお店もたくさん!
なるほど、ダブル(W)はワクワク(WAKU☆WAKU)の頭文字でもあるんですねー。

今回はその見どころをぎゅっと凝縮してお届けします!


いざ、WAKU☆WAKUラリーに挑戦

浮世絵風重ね捺しスタンプラリーでWAKU☆WAKU!

当日は絶好の秋晴れ!まちあるき日和で幸先の良いスタート。
まずは、ラリーシートをゲットしましょう。今回は京浜急行線・京急蒲田駅の改札階から直結の「大田区観光情報センター」でもらって、ラリーをはじめました。
※ラリーシートは大田区内出張所・図書館やクイズスタンプスポットなどでも配布しています。

「大田区観光情報センター」は、その名の通り大田区の観光情報が得られるほか(外国語にも対応)、大田区ならではのお土産も所狭しと並んでいます。大田区公式PRキャラクター・はねぴょんグッズも勢ぞろい、気分も上がる“はね~”!

館内にありました!ラリーシート!

ラリーひとつめのお楽しみ、ラリーシートのオレンジの数字の箇所をたどると「重ね捺し」で絵葉書が完成します。

ラリーシートの右上半分を点線に沿って切り取り、スタンプ台にセット。
浮世絵師気分でポンッとスタンプを押せば(軽く、がズレないコツらしい)

この「WAKU☆WAKUラリー」をナビゲートしてくれる、大田区公式PRキャラクター「はねぴょん」としながわ観光大使(見習い)・ハタチの龍馬の周りに…

どんな風景が広がることでしょう!

スタンプ&クイズの設置場所は特設サイトもチェック!
https://o-2.jp/eventinfo/2025-sinaota/

重ね捺しスタンプの次なる展開が気になるところで、先を急ぎます。
京急蒲田駅から電車でひと駅、梅屋敷駅で下車。
(ラリーには公共交通機関ももちろん使ってOK、思い思いのペースで楽しみましょうね)

スタンプラリーポイントの「大田区総合体育館」でスタンプを重ね捺し。
11月15日から始まる「デフリンピック」の会場にもなっていて、すでに道中にはあちこちフラッグが。熱戦を間近に楽しめるチャンス、こちらもお見逃しなく。

デフリンピック観戦とともに楽しむまちあるき情報はこちら
https://www.o-2.jp/feature/deaflympics2025/

 

スタンプを3個集めて「品川歴史館」や「大田区観光情報センター」に持って行くと、参加者限定のオリジナルステッカーがもらえます。

か…かわいい。ぜひゲットしてくださいね!


WAKU☆WAKUラリーの寄り道グルメ&おみやげスポット

ふたたび京浜急行線に乗り、平和島駅で下車。WAKU☆WAKUラリーとともに楽しみたい、グルメ&おみやげスポットをご紹介します。

【売切れ御免】享保元年創業「餅甚」のあべ川餅
〜え、大谷翔平選手のサインが?!~

突然ですが、ちょっと想像してみませんか。

あなたは江戸時代を生きる旅人です。

東海道をひたすら歩き、東海道大森・間の宿(あいのしゅく;現在の大森本町・大森北・大森中・平和島周辺)に辿り着いたところで和菓子店を発見!

駿河(静岡県)出身の店主のお店で、駿河名物の「安倍川餅」をいただきましょう。ふわっと香るきな粉と特製の黒みつをかけていただく柔らかなお餅に、旅の疲れが吹き飛びました。

なんとこの味、現代でも味わうことができるんです。

「え、食べてみたい!!」と思った方は、平和島駅から徒歩5分の場所にある「餅甚(もちじん)」にレッツゴー!

驚くことに、餅甚の創業は享保元年(1716年)、現在の当主で11代目。江戸時代から変わらない味と製法、そして「甚三郎」の名前が代々受け継がれています。

餅甚は平和島駅から徒歩5分、ミハラ南商店街のなかにあります。

商店街の入り口に見えるのは、寛文九年(1669年)創業の「海苔の松尾」の店舗。
かつて海苔の養殖業発祥地だった頃の風景を想像しながら3分ほど進みましょう。

看板商品の「あべ川餅」はテレビ東京「出没!アド街ック天国」でも紹介され、遠方からわざわざ買いに来られるお客さまも多いそうです。

なんと大谷翔平選手のご両親が餅甚のあべ川餅がお気に入りとのことで、エンゼルス時代の大谷選手のサインが飾られています。

代々受け継がれるものは、味や製法だけではありません。

黒蜜の製法は一子相伝。当主以外、女将すらその作り方を知らないと言います。

「素材の質は絶対に落としてはいけない。口に入るものは、すぐに違いが分かるものだから」
「この店だけを守るように。欲をかいて事業を拡大してはいけない」
「菓子作りに井戸の水を使うが、女性は絶対に井戸をのぞいてはいけない」

11代目甚三郎さんは「あべ川餅は大変ご好評いただき、これまで大手デパート様などから出店のお誘いをずいぶんいただきました。それでも初代・甚三郎の教えに則り、この地だけで真面目にコツコツと商売を続けさせていただいております」と語ります。

この地で300年受け継がれる味と伝統に、それを受け継ぐ歴代の当主たち。
ああ、なんて尊いのでしょうか。

お話を聞きながら、11代がつなぐ文化と伝統の重みをじわじわと感じました。

歴史に思いを馳せ、心していただくあべ川餅はたまりません。

ちなみにあべ川餅の賞味期限は3日間。

お餅はすぐに硬くなるものであり、シンプルな素材でありながら3日間も柔らかく美味しくいただける餅甚の製法はすごいなあと感じました。

14時には完売してしまうこともあるので、ぜひお早めに!
商品がある時間帯であれば電話でお取り置きをしてくださるそうです。

餅甚

住所:大田区大森東1-4-3
アクセス:京急本線「平和島」駅より徒歩5分
TEL:03-3761-6196
営業時間:9時〜18時
定休日:火曜日(変動あり)
SNS:https://www.instagram.com/mochijin_1715/
※お支払い方法は現金のみ
※商品のご予約/お取り置きはお電話より可

いざ大森駅 ランチは 創業25年を迎える人気店
「洋食亭おおはし」へ!

「そろそろ昼時、お腹もすいてきた~」と思ったら、人気の洋食店「洋食亭おおはし」でランチはいかが?

洋食亭おおはしは大森駅から徒歩5分、大森駅東口のMilpa(ミルパ 大森銀座)商店街を進んだ先にあります。

オーナーシェフの大橋一公さんが創業から25年以上こだわり続けているのは「どこか懐かしい気持ちになる、白ごはんに合う洋食」。

一般的に洋食のダシといえばコンソメですが、こちらのお店では隠し味に鰹や昆布の出汁を使っているそうです。

「明治維新後に日本に入ってきたハイカラな洋食を、家族で丸テーブルを囲みながら食べる姿」をイメージしているとのことで、内装にもどこか懐かしさを覚えます。

看板メニューは、「芳醇ビーフシチュー」。トロトロになるまで煮込んだオーナーシェフ自慢の一品です。

ここ数年はビーフシチューとオムライスの両方楽しめる「ビーフシチューのせオムライス」が人気!

フジテレビ系「めざましテレビ」のゴージャスオムライス特集で紹介された
「オムライスと海老フライ デミチリソース」はエビフライが豪快にそびえ立ち、
2種類のソースを楽しめます。(ピリ辛なので大人向けです)

トロトロの卵に濃厚なソース、なんだか幸せな気持ちになりました。

この地で営業を続けて25年。

「独身だった常連さまが彼女を連れて来店するようになり、結婚され、今ではお子さま連れでいらっしゃる姿を見ることができるなど、お客様の人生とともに歩む洋食屋であることが誇りです」と語る大橋さん。

一方で、個人経営の飲食店を取り巻く環境の厳しさにも思うところがあるそうです。

「物価も地価もあがり、若いシェフが店を出すのは難しい時代になってしまいました。また飲食店は体力勝負であり、今年65歳になった私が10年後に同じように営業することは難しいでしょうね」

「そんな時代だからこそ、家族経営のレストランで、今、この店でしか食べられない味を楽しむ体験をしていただけたら嬉しいなって思います」。

洋食亭おおはし

住所:東京都大田区大森北1-29-6
アクセス:JR「大森」駅東口から徒歩5分
TEL:03-5493-5133
営業時間: 11:30-1400、17:00~20:30
定休日:金曜、毎月第1・3・5の木曜
お支払いは現金のみ
HP:https://www.youshokutei-oohashi.com/
SNS:https://www.instagram.com/_ohashi_official_/


豪華賞品が当たるチャンス!クイズスポットはこちら!

さて、お昼も食べて元気をチャージしたところで、ダブルラリーのもうひとつのお楽しみ、クイズに挑戦しましょう。ラリーシートの紫の数字の箇所をたどるとクイズが出現。

3択とはいえ、なかなかな難問ですが、すべて答えはまちの中から見つかります。

8箇所に掲示されたクイズを解くと、抽選で30名様に豪華な「大田・品川おみやげBOX」(©︎ 2025 SANRIO CO., LTD.APPROVAL NO. L660022)も当たるチャンス!

駄菓子屋「プッチ」

クイズラリーのスポットであり、大森の子どもたちに大人気のおやつスポット、それが「駄菓子屋プッチ」です!

大森駅東口から徒歩4分ほど、Milpa(ミルパ)大森銀座商店街から入新井西公園に向かう途中にあります。


あらかじめお伝えします。駄菓子屋プッチは「駄菓子屋さん風」のお店ではありません。

「本気の駄菓子屋さん」です。

14坪ほどの店内には約300種類の駄菓子・おもちゃ・クジがずらりと並び、店主・加藤丈明さんの「最高に楽しい駄菓子屋を作ってみせる!!」というこだわりが、手作りのポップなど店内のあちこちからにじみ出ています。

夕方は幼稚園や公園あそびの帰り道の親子連れに、習い事や塾の行き帰りの小学生でひしめき合い、凄まじい熱気!(あまりの活気に、筆者はクラクラしてしまいました笑)

店内ではカゴを使うこと、ゲームしながらのお買い物はNG。これが駄菓子屋プッチの御作法です。

一つ13円など、子どもにとって計算が難しい商品は手作りの計算早見表が貼ってあるところにお店の優しさを感じます。

お買い物をする子どもたちの顔は真剣そのもの。みんなお小遣いで何をどこまで買えるかを一生懸命考えながら、お菓子をカゴに入れてレジに向かいます。

レジでは「プッチのおじちゃん」の愛称で親しまれる加藤さんが

「150円ピッタリ買えたね、すごいじゃん!」
「お小遣い100円なら20円足りないな、チョコを2つやめたら買えるよー!」
なんて子どもたちと会話しながらお会計する姿がありました。

一番の見どころはクジ引きではないでしょうか。
「おもちゃクジ」「お菓子クジ」「昆虫クジ」などがあり、どのおもちゃが当たるかはレジでクジをひいてからのお楽しみ!

なお、クジ引きは子どものみ、土・日・祝日と混み合っている時間帯は休止となります。

そんな駄菓子屋プッチの前身は100円ショップでした。周囲に100円ショップが激増した時期に経営が苦しくなり、加藤さんは「もう店を畳もうか…」と思い悩んでいたと言います。

そんなとき、常連の小学3年生の男の子がお菓子を買いに訪れました。

「おじちゃん、もう店を畳んでもいいかな…」
「俺が小学校を卒業するまでお店やってよ!」「お店がないとお菓子買えないじゃん」
「そうか、わかった。おじちゃんあと3年頑張ってお菓子を売るよ」

そんな約束が、今の駄菓子屋プッチの誕生につながったのです。

「おじちゃんは別に優しくはないけどさ。最高に楽しい駄菓子屋を作るからな!!!!

「スーパーでもコンビニでも駄菓子は買えます。でも駄菓子屋でしか味わえない楽しさやワクワク感を子どもたちに楽しんでほしいです!!」と店主の加藤さんは語ります。

「正直、駄菓子屋は大変だし儲かりません。でもおじちゃんは本気で、最高に楽しい駄菓子屋を続けます!」

駄菓子屋プッチ

住所:東京都大田区大森北1-37-2
アクセス:JR「大森」駅東口から徒歩4分
定休日:不定休
営業時間:平日は14:00-19:00、土・日・祝は14:00-18:00
※天候が悪い日は休業したり、営業時間が不規則になることがあります。
(店舗の張り紙よりご確認ください)

「金海堂」で大森を味わう

「くつろぎ和菓子 金海堂」は、JR大森駅西口から池上駅方面に6分ほど歩いた場所にある和菓子店です。

現・店主のお母さまがにこやかに出迎えてくださり、一つからでも購入できるのが嬉しいです。

店内に入ると、甘く、そしてどこか懐かしい気持ちになる香りに包まれます。

「どれにしよう」と迷ってしまうくらい商品数が多く、ワクワクしながら選びます。和菓子屋さんで季節を感じる瞬間が筆者は大好きです。

金海堂のモットーは「和菓子は餡が命」。北海道美瑛(びえい)町にある大雪山農園との契約栽培小豆を使用し、すべての商品に自家製の餡が使われています。

「当店の餡子は上品というより、大森の下町感のように、どこか懐かしさがあるかと思います。あずきの香りをぜひ味わっていただきたいですね」。3代目店主の佐藤隆一さんはそう語ります。

原材料にこだわるのは小豆だけではありません。砂糖は波照間産の黒糖を、お赤飯には秋田県産のもち米を。店主が五感をフルに使って選んでいるそうです。

2代目と3代目店主のおすすめは「黄金豆大福」。塩気が餡子の甘さをぐっと際立たせます。

「大田のお土産100選」にも選出された大森の歴史や文化にちなんだお菓子の詰め合わせ「大田大森 町散歩」は、単品での購入も可能です。

【恋人の小径(こみち)】は大森で暮らした村岡花子が翻訳した小説『赤毛のアン』の世界をイメージした、桜の花を添えたブッセ。

【ドキドキ】は考古学発祥の地である大森の縄文土器をイメージしたチョコレート風味の焼き菓子。

【麦畑】は、かつて麦わら細工が名産だった大森と、大田区花である「梅」にちなんで、青梅の甘露煮を包んだ大福をパイ生地で包んだお菓子です。

筆者は、大田区の花が「梅」であることも、大森がかつて麦わら細工が名産だったことも初めて知りました。

WAKU☆WAKUラリーとお菓子を通して、ぜひ大森を味わってみてくださいね。

毎月最終日曜の朝9〜10時に朝市が開催されます。(12月はお休みです)
山菜おこわが限定販売されるほか、和菓子が限定価格で販売されているので、こちらもお見逃しなく!!

くつろぎ和菓子 金海堂

住所:東京都大田区山王3-1-3
アクセス:JR「大森」駅西口から徒歩6分
TEL:03-3775-0373
営業時間:9:30~18:30
定休日:火曜
HP:https://kinkaidoh.com/
SNS:https://www.facebook.com/kinkaidoh/

駄菓子と和菓子でエンジン全開!ラリーのコンプリート目指してラストスパート!

「大森プリモ」から「アトレ大森」になって、今年2025年で20周年を迎えた「アトレ大森」でスタンプポン!そしてJR大森駅でもクイズに挑戦。

旧東海道を1日たっぷり食べて遊んで楽しんで…ついにポストカードも完成しました~!

(完成は見てのお楽しみ!)

1日堪能して実感したのは、旧東海道は品川区と大田区をつないでいるだけでなくて、わたしたちの生きる今と昔をつなぐ、いわば“タイムマシン”なのかもしれないなーということ。

歴史に学び、人との出会いに学んで、誠実で丁寧な仕事をコツコツ続ける、そんなステキな商店がたくさんありました。

来年2026年6月12日には開業150周年を迎えるJR大森駅、さらにその翌年2027年で発見発掘から150周年を迎える大森貝塚と、メモリアルイヤーが続く「大森」の駅名の由来も、元はといえば旧東海道の「間の宿」としての賑わいがあってのもの、と言われています。

1日ではもったいないこの奥深さ!ぜひ続きは自分の目で!足で!実感してください。

旧東海道を歩きながら、歴史やグルメ、まちの魅力を再発見できる「WAKU☆WAKUラリー」。この秋はラリーシート片手に、家族や友達と一緒にまちあるきを楽しんでみませんか?

WAKU☆WAKUラリーイベント特設ページはこちら
https://o-2.jp/eventinfo/2025-sinaota/

 

本記事のライター:Hana
プロフィール:大田区歴13年、小学生の姉妹を子育て中。大田区の魅力は知るほどに深く、気づけばすっかりトリコ。

監修:NPO法人大森まちづくりカフェ

「大森まちづくりカフェ」は情報紙の発行や地域密着型のイベント企画など、まちの魅力を発見し伝える事業を通じて、大森がもっといきいきするような交流の場(=カフェ)の構築を目指すNPO法人です。