2012年からスタートしたおおたオープンファクトリー(OOF)は、大田区内の工場めぐりが楽しめる年に一度の人気イベント。15回目を迎える2025年は、職人の技を直に見たり体験ができたりするだけでなく、スペシャルイベントやデジタルスタンプラリーなどのコンテンツも盛りだくさん。
今回は、年に一度のOOFとセットで楽しみたい沿線の厳選グルメをご紹介。食のプロが織りなす味をぜひ堪能してみてください!!
(取材内容は2025年9月当時のものです)
おおたオープンファクトリーとは?
おおたオープンファクトリー(OOF)は、モノづくりの高度な技術や経験豊富な職人と触れ合うことができる、年に一度の工場見学・体験イベントです。2012年からスタートし、15回目となる今年(2025年)は、昨年度に引き続き「のぞきに行こう技術の世界」をテーマに、あなたもきっとのぞきたくなる、大田区が誇る技術の世界へご案内します。
おおたオープンファクトリー特設サイトのURLはこちら
https://o-2.jp/mono/oof2025/
おおたオープンファクトリー2025は、武蔵新田、下丸子エリアを中心とした新田丸・蒲田エリア、京急本線エリア、京急空港線エリア、城南島エリアで開催しています。この記事では、京急本線、京急羽田空港線沿線のお店を厳選。料理人が心をこめて作る料理を味わって至福の時間をお過ごしください。
武蔵新田・下丸子エリアのグルメ情報はこちら
https://www.o-2.jp/ebook/asobitsukuse_otacity11/
1937年創業の「大鳥居ながおか」は、そばの実の中心部分を使った更科そばがいただける老舗のそば店です。
そば粉は北海道産のものを使い、口に入れるとつるりとした食感でのど越しの良さが味わえます。つゆは約一年の改良を経て、2025年8月に現在の味に辿り着いたもの。千葉県銚子産の醤油、宮城県産の有機みりんに、鯖と宗田鰹をメインとした出汁を、独自のバランスで配合し、さっぱりとした上品な甘さがそばの味を引き立てています。
ランチのおすすめは、丼とそばが楽しめる天丼セット(1400円)。そばは「せいろそば」か「かけそば」が選べて、天丼にはホワイトタイガーを用いた大ぶりなエビの天ぷらと、季節の白身魚、旬の野菜の3品の天ぷらが楽しめます。軽やかに揚がっている天ぷらの秘訣は、油を継ぎ足すことなく1日で使い切ることなのだとか。
鴨せいろや鴨南蛮も人気で、ハンガリーやフランス産などの外国産の鴨を使用していたのを、数年前から岩手県産の鴨に切り替えたそうです。国産の鴨は外国産に比べて脂が少なくさっぱりとした素材本来の味を堪能することができます。
店主の長岡 寛さんにおすすめのメニューをお聞きすると、「そばとつゆの味わいがしっかりとわかるせいろを味わっていただきたい」とのこと。冷たい蕎麦と温かい蕎麦でつゆの味を微妙に変えていて、温かい蕎麦のつゆは少し甘めに仕上げているそうです。
住所:大田区東糀谷2-14-21
アクセス:京浜急行空港線「大鳥居」駅徒歩5分
TEL:03-3741-0169
営業時間:11:00~14:00、17:00〜20:00(日曜・月曜定休)
公式Instagram:https://www.instagram.com/soba_nagaoka/
近くの工場はココ!
完全人工光型植物工場で、安心安全な野菜を育てています。おおたオープンファクトリー当日は、1階ショップと4階ワークショップスペースのご案内(所要時間20分程度)とレタス栽培の見学と試食体験を実施します。
詳細はおおたオープンファクトリー特設サイトをチェック!
https://o-2.jp/mono/oof2025/7728/
「中華ソバ ちゃるめ」店主の岩瀬和巳さんは、学生の時からラーメンの食べ歩きが趣味で、今までに約1000杯以上ものラーメンを食べたそうです。約7年間麹町の「ソラノイロ」で創業期から修行をし、多様なスタイルのラーメンについて学んできました。
2019年2月に念願のラーメン店を地元大田区にオープンしてからは、「TRYラーメン新人賞」に選ばれたり、「OTA!いちおしグルメ」や「ラーメンTokyo百名店」に選出されるなど、高く評価され続けています。
さまざまな種類があるラーメンの中で中華そばというジャンルを選んだ理由は、流行り廃りがなく、幅広い年齢層の方に親しんでもらえると思ったからなのだとか。
特製中華ソバ(1400円)は、3種のチャーシュー、のり、味玉、メンマ、小松菜、なると、と全てのトッピングが楽しめます。チャーシューは、豚スープで煮込み醤油だれで味付けした豚バラ、塩と胡椒と砂糖で下味後に約8時間低温調理した豚肩ロース、調味液に一晩漬け込んで低温調理して仕上げた鶏むねの3種類。のりは、店舗近くにある金原海苔店に特注しているパリッとしてスープに溶けないもの。
スープは、鶏ガラベースに、豚、昆布、煮干し、鯖などの出汁をブレンドしたもので、スープを一口すするとダイレクトに旨みが押し寄せてきます。麺は地元の菅野製麺所から仕入れ、基本の細麺のほか、もちもちとした食感の手もみ麺もあります。
岩瀬さんがラーメンをつくるときに意識していることが、スープと麺とトッピングという丼一杯のバランス。麺が主張しすぎず、スープも癖が強くない調和の取れた味を追求しているそうです。
店名のちゃるめは、前職時代の先輩が「ラーメンが好きだけどチャルメラになりきれない未熟者」という意味で付けたという岩瀬さんのあだ名。親しみを感じられる響きであることや、いつまでも研鑽し続ける姿勢を忘れたくないという思いが店名に込められています。
住所:大田区萩中2-6-12
アクセス:京浜急行空港線「糀谷」駅徒歩8分
TEL:03-6423-2598
営業時間:火曜〜木曜11:00〜14:00 18:00〜21:00 、金曜11:00〜14:00、 土曜・日曜・祝日11:00〜15:00(月曜定休)
*定休日の月曜日はカレーの花子さんとして営業中
X:https://x.com/indies_charume
Instagram:https://www.instagram.com/Charume_ramen/
近くの工場はココ!
テクノWINGは様々な工場が入居する、工場のアパートです。
おおたオープンファクトリー当日は、以下の工場がオープンしています。
①里中精機…パネルおよび加工品の展示、工場内見学と製作体験
②カセダ…製品の展示(午後から)
③BoCo…骨伝導集音器・イヤホンの視聴体験
④大成工業…製品技術のパネル展示、切削機械の紹介および実演
詳細はおおたオープンファクトリー特設サイトをチェック!
https://o-2.jp/mono/oof2025/factory/
2025年で創業55年を迎える地域密着型の中華料理店「大枡(だいます)」は、コストパフォーマンスの良さが光る名店。現在は2代目店主の対馬 尊(たける)さんが店を切り盛りしていて、連日近隣の常連客や、評判を聞きつけた方などで賑わっています。
2018年に講談社のSARAH JAPAN MENU AWARD(ジャパンメニューアワード)を受賞した人気のタンタンメン(600円)は、豚ガラベースに塩、唐辛子、ひき肉、卵が加わり、何とも奥深い味わい。どうしたらこんな味を出せるのかとよく聞かれるそうですが、特別なことは何もしていないと対馬さんは言います。タンタンメンセット(700円)にすると、白飯と辛味噌と生の刻みニラが付き、残ったスープを雑炊にして十二分に楽しむことも。
定番の肉野菜炒め(650円)は、野菜のシャキシャキとした野菜と甘みが感じられるシンプルイズベストな一品。一品料理ではレバ焼き(600円)、麺料理ではとりそば(800円)や天津麺(850円)もよく出るメニューだそうです。
六郷で生まれ育った対馬さんは、小さい頃に常連のお客さんが公園に遊びに連れて行ってくれたことが忘れられない思い出だそう。そして今では、学校に合格したことや就職したことを報告がてら食べに来てくれるお客様や、三世代で食べに来てくれる常連のお客様がいることに幸せを感じるといいます。お店がオープンキッチンになっているのは、コミュニケーションを大切にしてきたからこそなのです。
2025年の春に物価高のために値上げをしたそうですが、ラーメンは今でも一杯450円(麺の大盛りはプラス100円)。理由を聞くと「塾に通っている小学生が食べに来てくれるので変わらずに店に来てほしくて。利益よりもお客様が笑顔になってくれる方がいい」と対馬さんは笑顔で話してくれました。
「とびきりより飽きない味を大切に」をモットーに、これからも大枡はファンを増やし続けていくことでしょう。
住所:大田区南六郷2-24-11
アクセス:京浜急行本線「雑色」駅徒歩6分
TEL:03-3732-0230
営業時間:11:30~14:00、17:30〜20:30(水曜・木曜定休)
X:https://x.com/daimasu_zoshiki
近くの工場はココ!
自動車部品の試作品、原子力関連部品の製造を行っています。
おおたオープンファクトリー当日は、子供向けの3Dプリンターを使ったモノづくり体験、ワークショップ(30分程度)、機械や製品の説明パネルの展示、創業から合併までの会社の歴史紹介、ガイド付きの工場見学を実施します。
さらに!先着50名にお洒落なアルミ製ストローをプレゼント!
詳細はおおたオープンファクトリー特設サイトをチェック!
https://o-2.jp/mono/oof2025/7683/
まちづくりの一環として機能したいという思いで2018年に梅屋敷の高架下にオープンした仙六屋カフェ。レンタルスペースのほか、定期開催の梅屋敷ブックフェスタや、ワークショップ、作家さんが集まるマルシェなど、イベント運営にも力を入れています。カフェの客層は幅広く、赤ちゃん連れのお母さんから近所のお年寄り、さらに最近では外国の方もお店に訪れるそうです。
おすすめのフードメニューは、国産レモンクリームのチキンカレーと、季節のカレーがワンプレートになったダブルカレー(1200円)! さっぱりとしたレモンクリームのカレーとターメリックライスは相性抜群で、これを目当てに通う常連のお客様も多いのだとか。さらにプレートに添えられた、サラダのドレッシングや副菜も全て手作りと手が込んでいるのも嬉しいところ。スパイスカレーと一緒に、国産レモンをシロップ漬けにした自家製レモネード(レギュラー500円)を合わせるのもおすすめです。
そして、特筆すべき仙六屋カフェのスイーツが、2018年に惜しまれつつも閉店した甘味処「福田屋」の味が楽しめる福田屋直伝モナカ(200円)。新しい場所に残すことで町のDNAを残したいという熱い想いを伝えたところ、機械とモナカのレシピの継承を快諾してもらったそうです。引き継いだ機械は町工場へメンテナンスをお願いして現在も活躍しています。
「実は、このアイスは福田屋さんの味を再現するためにあえて冷蔵庫で寝かせてシャリ感を出しています」と教えてくれたのは、スタッフの樋山さん。「特大」という文字が目印のモナカに、さっぱりとシャリシャリとした食感を出したアイスこそが福田屋さんの味なのです。
「ここでしか味わえない、こだわりのひと皿」を味わいに、ぜひ仙六屋カフェに足を運んでみてください。
住所:大田区大森西6-16-18梅森プラットフォーム
アクセス:京浜急行本線「梅屋敷」駅徒歩1分
TEL:03-6404-6907
営業時間:11:00~18:00、ランチのラストオーダーは15:00(水曜定休)
公式HP:http://senrokuya.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/senrokuya/
近くの工場はココ!
産業用純水装置の企画、設計開発、製造、販売、施工、保守を行っています。
おおたオープンファクトリー当日は、災害時移動型TOPレスキューXRO純水装置のデモ見学、純水を使ったアイスレモネードの提供(先着30名)、お菓子がもらえるスーパーボールすくい(先着30名)を実施します。
さらに!先着30名に純水500mlペットボトル、公式キャラTOPPEN缶バッチをプレゼント!
詳細はおおたオープンファクトリー特設サイトをチェック!
https://o-2.jp/mono/oof2025/7685/
本記事のライター:大曽根桃子
プロフィール:大田区在住のフリーライター&エディター。取材記事や体験記事、コラム記事などを執筆しています。食べること、銭湯(サウナ)めぐり、テニス、カメラが大好きで、大田区のあちこちに出没しています。
監修:NPO法人大森まちづくりカフェ
「大森まちづくりカフェ」は情報紙の発行や地域密着型のイベント企画など、まちの魅力を発見し伝える事業を通じて、大森がもっといきいきするような交流の場(=カフェ)の構築を目指すNPO法人です。