例年6月頃に色とりどりの花を咲かせる紫陽花。大田区池上には、地元の方々が毎年心待ちにしている紫陽花の名所があります。今回は、「あじさいロード」として親しまれている養源寺と、さまざまな色の紫陽花が楽しめる妙見堂をご紹介。さらに、紫陽花散歩とセットで楽しみたい紫陽花色のドリンクが楽しめるカフェもご案内します。
紫陽花の咲く時期に、日々の喧騒を忘れてゆったりとした時間を池上でお過ごしください。
(紫陽花の写真や商品の価格は2025年6月5日当時のものです)
「あじさいロード」で有名な養源寺
四季折々の花が楽しめる養源寺
養源寺では、お寺の裏山にある階段から山頂に沿って紫陽花が咲き、紫陽花の開花時期になると「あじさいロード」として一般開放されています。
「あじさいロード」に咲く紫陽花は、有志の方々のアイデアで植栽を始めてひと株ずつ増やしていき、今年で10年を迎えるそうです。紫陽花を植えてくださった方々のおかげで、今こうして紫陽花を愛でることができると思うと、感謝の気持ちでいっぱいになります。
養源寺に咲く紫陽花は、個人的に青色が印象的で心の中で「養源寺ブルー」と呼んでいます。この「養源寺ブルー」を見るために、紫陽花の時期には何度も足を運んでしまうほど。
晴れて空が澄んだ日の紫陽花、雨でしっとりと艶やかな紫陽花、夕暮れ時の儚げな紫陽花、と天気や時間帯によってさまざまな顔が味わえるのも紫陽花鑑賞の醍醐味でしょう。
養源寺では、紫陽花の時期には期間限定で紫陽花のご朱印もあり見逃せません。
期間限定の紫陽花の御朱印。直書きは僧侶の方が在寺時のみです(写真提供=養源寺)
境内には紫陽花以外にも、梅、菜の花、モクレン、桜、ハスなど四季折々の花が咲き、一年を通して訪れる人の目を楽しませてくれます。
イベントにも力を入れていて、お寺でのお経や太鼓の体験ののち食事がいただける「寺食堂」や(費用はお気持ち)、夏の「盆踊り」など地域の方々に喜ばれています。
養源寺
所在地:東京都大田区池上1-31-1
アクセス:東急池上線「池上」駅徒歩10分
TEL:03-3751-0251
公式サイト:https://ikegami-yogenji.com/
Instagram:https://www.instagram.com/ikegamiyogenji/
(紫陽花の写真は2025年6月5日に撮影したもので満開でした)
色とりどりの紫陽花が咲き誇る「妙見堂」
慶応2(1866)年の再建で、明治時代に増築工事が行われた妙見堂
地元で「アジサイ寺」として親しまれている妙見堂は知る人ぞ知る紫陽花の名所で、妙見坂という石段を上っていくと辿り着く静かなお堂です。
静かな境内には、紫、ピンク、白、青など、カラフルな紫陽花が咲き誇り、華やかな風景を楽しむことができます。
柏のような葉っぱと、円錐形の花の形が特徴的なカシワバアジサイがそこここに咲いているのも妙見堂ならではの光景。
今年は例年より紫陽花の花が小ぶりだそうで、年によって咲き方も咲く時期も変わるのは紫陽花が自然のものだからこそですね。
境内で紫陽花の写真を撮影していると、紫陽花に詳しい方と偶然出会い「紫陽花は逆輸入の花」という話をお聞きしました。
紫陽花の歴史を紐解いてみると、江戸時代後期にシーボルトが日本の紫陽花(ガクアジサイ)をオランダに持ち帰ったことから、品種改良されて西洋アジサイが誕生したことがわかりました。そして、今日本でよく目にする手毬型のふわふわの紫陽花は、主に西洋アジサイなのだそう。紫陽花=和の花、という漠然としたイメージがあったので、とても不思議な気持ちになりました。
紫陽花鑑賞から歴史に思いを馳せる楽しいひとときでした。
妙見堂
所在地:東京都大田区池上1-31-10
アクセス:東急池上線「池上」駅徒歩8分
TEL:03-3754-6624(照栄院)
公式サイト:http://www.shoueiin.jp/myoken/
(紫陽花の写真は2025年6月5日に撮影したもので、境内は満開で、階段沿いは8分咲きくらいでした)
※妙見坂を上るのが大変な方は、エレベーターで池上会館の屋上に出て、五重塔の横から行く道をご利用ください。
大田区の紫陽花スポットで有名な場所として、下丸子公園や多摩川台公園もあります。池上、下丸子、多摩川と、大田区内で紫陽花巡りをするのもおすすめです。
今回は、池上エリアで紫陽花の時期に特におすすめしたいカフェをご紹介します。
「Hana coffee」でバタフライピーのレモネードを
2020年3月にオープンして今年で6年目を迎える「Hana coffee」。裏路地を入ったビルの2階という立地ながら常連のお客様が増え続けている人気のカフェです。お店では、看板メニューのアメリカンコーヒーのほか、カレーやサンドウィッチなどの軽食、スイーツがいただけます。店内に飾られているアンティークは、オーナーのMiwakoさんが海外で買い集めたもので非日常的な空間を演出しています。
こちらで紫陽花の時期に特におすすめしたいのが、「バタフライピーのレモネード」。バタフライピーとはアントシアニンを多く含んだハーブで、抗酸化作用があって美容効果や疲れ目に効果が期待できると言われています。そして、そのバタフライピーを抽出した色が「養源寺ブルー」を彷彿とさせる青色なのです!
早速「バタフライピーのレモネード」(690円)を注文しました。
なんて綺麗な色なのでしょうか。
しばらくこの青色を鑑賞したのちにレモンを絞ってみると・・・
紫色へと変化しました。そしてさらにシロップを足すと・・・
濃い紫色からピンク色になりました!
色の変化が楽しめるドリンクはワクワクしてテンションも上がります。
折角なので、お店で人気のスイーツ「池上Hanaカステラ」(450円)と一緒にいただきました。
はちみつの優しい味とふわふわの食感が特徴の「池上Hanaカステラ」は、15cmカップ(1台990円)のホールもあってお土産にぴったり。土曜日・日曜日・祝日の限定販売ですが、平日の場合2台から予約で注文ができるそうです。
Miwakoさんにカフェの仕事の魅力をお聞きしたところ、お客様が素敵、綺麗、おいしいなどと喜んでくださる瞬間がとても嬉しいのだとか。さらに、お客様がカフェで気持ちよく過ごしてくれていると感じられることもモチベーションにつながるそうです。
また、顔馴染みのお客様と会話をすることも楽しく、ワンオペレーションでセルフサービスのお店を気持ちよく続けていられるのはお客様のおかげ、とMiwakoさんは笑顔で話してくれました。
所在地:東京都大田区池上6-4-10 2F
アクセス:東急池上線「池上」駅徒歩3分
TEL:090-9157-6921
営業時間:11:00~18:30(火曜日・水曜日定休)
公式サイト:https://hanacoffee.studio.site/
Instagram:https://www.instagram.com/hana.coffee_/?hl=ja
「古民家カフェ蓮月」の期間限定の紫陽花ソーダ
池上の代名詞となりつつある「古民家カフェ 蓮月」では、紫陽花の咲く時期限定の飲み物があると知ってお店を訪ねてみました。
そのドリンクの名前は「紫陽花ソーダ」。
2色のゼリーとナタデココが入っていて、ゼリーはレモン味とライチ味。ベースのソーダはライチベースにレモンが加わって清涼感あふれる味わいです。ミントが上に添えられていて見た目も涼やか。
店内でドリンクを受け取ってから、せっかくなので外でいただくことにしました。
蓮月の庭は、高い木が多く開放感があってまた素敵なのです。
「紫陽花ソーダ」はゼリーとナタデココが入っていて想像以上のボリューム
庭では、「紫陽花ソーダ」に似た色合いの薄紫色の紫陽花が見頃。
ちょうど誰もいない時間帯で、「紫陽花ソーダ」を飲みながら紫陽花を存分に眺める贅沢なひとときを過ごせました。
店主の輪島さんによると、「古民家カフェ 蓮月」の紫陽花は少し遅めに咲くそうで、養源寺や妙見堂の紫陽花が終わった時期でも楽しめる可能性があるとのこと。「紫陽花ドリンク」の販売期間は紫陽花が枯れる頃までなので、お店のSNSを確認してぜひ訪れてみてください。例年、5月頃から7月くらいまで販売しているそうです。(2025年は7月12日で紫陽花ソーダは終売)
(過去記事リンク)
https://www.o-2.jp/feature/ikegamicafelunch/
所在地:東京都大田区池上2-20-11
アクセス:東急池上線「池上」駅徒歩8分
TEL:03-6410-5469
営業時間:11:30~18:00(土曜・日曜・祝日11:00〜)
公式サイト:https://rengetsu.net/
Instagram:https://www.instagram.com/ikegamirengetsu/
プロフィール:大田区在住のフリーライター&エディター。取材記事や体験記事、コラム記事などを執筆しています。食べること、銭湯(サウナ)めぐり、テニス、カメラが大好きで、大田区のあちこちに出没しています。
監修:NPO法人大森まちづくりカフェ
「大森まちづくりカフェ」は情報紙の発行や地域密着型のイベント企画など、まちの魅力を発見し伝える事業を通じて、大森がもっといきいきするような交流の場(=カフェ)の構築を目指すNPO法人です。