街の職人さん

「石村屋〜馬込」 三味線職人 伊東孝夫さん 「石村屋〜馬込」 三味線職人 伊東孝夫さん

三味線職人 伊東孝夫さん

「石村屋〜馬込」

住所:大田区山王3-18-10
電話:03-3778-3318
営業時間:10〜23時
定休日:不定休

天賦の才とたゆまぬ努力

ころころと白玉粉で作ったのりを転がすように伸ばしながら「修行の時代がなかった。初仕事はいきなり先生の三味線の皮張りだったんだよ。」と言う。高校を卒業して間もなく、皮に触ったこともない時に1代目の父親が入院。そんな折に歌舞伎座の演奏者の三味線の皮の張り替えを依頼された。困り果てて同業者のおじに持って行くと「自分でやれ。」の一言。教わりながら仕事をこなした。三十センチ四方もない三味線の胴の皮。その皮の張り具合を感じるのは「教えられない、伝えられない手の感覚で、感性だ。」とのこと。何の修行もなしに難しい初仕事をやり遂げられたのは、尋常ではない天賦の才があったからだろう。

しかし、伊東さんにあるのはそれだけではない。「なにも知らないからいろいろやって自分でいいやり方を見つけた。親父が早く死んだから今の自分がいるんだ。」入院していた父親を亡くし、ほとんど修行もしないまま2代目となった。100枚皮を張って100枚破ったこともあるという、うかがい知れない苦労の日々を超えられたのは、不屈の向上心に因るところも大きい。

伝統工芸の未来

三味線は多くの人の手を経て作られる。想像もしないところに専門の職人がいる。伊東さんはそれらを最後に組み立てて、完成した作品にし、販売する人でもある。それだけに全体が見え、危惧することは多い。例えば、三味線の土台となる木(紅木)、バチの材料(象牙)、胴に張る皮(猫・犬)。これら中心となる部分の材料をとっても、現在、ワシントン条約、動物愛護団体の運動などにより自由に手に入れることができない。ただでさえ、職人さんがいなくなって、自分で作っている部分もあるという難しい状況の中、ますます三味線に関わる人が減ることを伊東さんは心配する。

また、「琴、三味線」を知らない成人に出会って「これではいけない。」と12年前に始めた子供向け、学校の先生向けの無料三味線教室も、周りの協力体制など問題は山積みだ。でも、伊東さんには夢がある。前述のような問題を話したり、意見を交換したり、孤独になりがちな職人が元気になるような「伝統工芸職人」が組合を地元に作ることだ。伊東さんは常に先を見据えて、未来の子供のために、職人のために、少しずつ少しずつ具合を計りながら粘り強く皮を張るように行動し続けている。

かませ道具・弦・

1.「小中学生対象 無料三味線教室」

練習日:毎月第2・第4土曜日

時間:午前9時30分〜11時30分

対象:小学4年生より

場所:山王会館

    (大田区山王3-37-11)



2.「小中学生・教師対象 無料三味線教室」

練習日:毎週水曜日

時間:1.児童→17時〜18時 

    2.教師→18時〜19時30分

対象:1.小学生以上

2.三味線の体験をしたい、児童に伝えていきたい教師

場所:入新井第二小学校 集会室

    (大田区中央2-15-1)


問合:03-3778-3318(伊東孝夫)

※初回参加の方は前日までにご連絡ください